By Yukiko Yamasaki Block
アメリカで物件購入と一口に言っても、アメリカでは州によってその方法がかなり異なる場合があります。
(2021年6月3日アップデート)
フロリダで物件を購入する大まかな流れをご説明します。
1 | どの様な物件を購入したいかを考えてみる。
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2 | 住宅ローン(Mortgage)を組む場合は、銀行やその他住宅ローンを取り扱っている金融機関に(まとめてLenderという呼び方をする場合が多い)連絡をして相談し、希望金額以上のPre-Approval(事前承認)letterを発行してもらう。 住宅ローンの条件はLenderによって様々なので、金利や手数料、サービス内容などを色々比べてみるのもおすすめです。 海外からのアメリカの物件を購入の場合は現金での購入が多いのですが、その場合は購入に使える金額があるということを証明する書類(Proof of Funds等)を用意しておくことをお勧めします。英文の残高証明書などで結構です。海外向けの多額の送金は銀行によっては金額などが制限される場合も多々あるので送金予定がある旨なども銀行に前もって相談しておくことをお勧めします。 |
3 | 購入にあたって、バイヤー側(買主)の交渉から取引全般をお手伝いするリアルター(Realtor=フロリダ州公認不動産取扱免許を持ち、全米不動産協会会員でもある不動産取扱業者)に連絡して希望物件に関する条件などを相談する。 買主側からリアルターに支払う経費は発生しません(フロリダでは通常リアルターへの手数料は買主側も売主側も売主が負担します)ので、買主側リアルターのサービスを利用しない手はありません。 きめ細やかなサービス、不動産知識、交渉力、手続きや連絡の迅速さ、話し易さなど、お客様ご自身が良いと思われるリアルターを選ばれることがスムーズな物件購入につながります。 |
4 | 興味のある物件をリストアップしてから(これはお客様からのご意見とリアルターのおすすめなどを合わせて)リアルターがアポを入れて、実際の物件にお客様をご案内します。 お客様が遠隔(州外や国外)にいらっしゃる場合は私がお客様にかわって物件を視察に行き、写真やビデオ含めた詳細を報告いたします。(フロリダの私達の地域では州外や海外のお客様が実際に物件を見ることなく購入されることも多々ありますので、スムーズに対応できます。) |
5 | お客様の条件にあう物件が決まったら、売主側にオファーを入れます。その時に最新の市場の状態を良く見極めたアドバイスをさせていただき(刻々と変わる市場の動き、物件の状態、売り主の状況等色々を考慮に入れた一番効果的かつ買主の方に最も有利な条件)それに基づき買主であるお客様と一緒にオファー内容(価格やその他の条件)を決めた上でオファーを出します。 |
6 | 売主側との条件の交渉を行い、最終的に売主側と買主側がすべての条件(主に価格、家屋やシロアリなどの検査期間、ファイナンシングに関する条件、不動産売買手続きが完了するクロージング日などが中心事項)に賛同し、署名をした日が契約有効日(Effective Date)となり、この日から正式な契約に入ったことになります。 |
7 | 通常は上記の契約有効日から3日内にエスクローエージェントという第3者的立場にある会社にエスクローデポジットと言われる手付金を払い込みます。エスクローエージェントとタイトルカンパニーが同じであることも一般的です。 特に決まった金額はありませんが、およそ物件価格の1〜2%程度です。万が一契約が破棄になった場合は契約書の内容に従い、双方の了解を得た上でその手付金が払い戻されます。 無事クロージングになった場合は、この金額はクロージングコストに全額あてられます。 |
8 | 買主がローンを組む場合はなるだけ迅速に(契約書に書かれている期間以内にー例えば5日以内)ローン申請をして手続きを始めます。 |
9 | 家屋とシロアリなどの検査(Home Inspection & Wood Destroying Organism Inspection)も所定の期間内に(通常15日以内)行い、その結果によって契約を続行するのか、または修理の交渉をするかなどの判断を下します。 |
10 | ローンを組む場合は物件の査定をするAppraiserが物件を査定して物件の査定額(Appraisal Value)を出します。 この査定額がローン金額に満たない場合は契約が破棄になったり、再度値段交渉が行われます。 |
11 | ローンを組む場合は家に保険(Homeowners Insurance)をかけることも必須になります。 もちろん現金の場合もかけておいた方が良いのですが、必須ではありません。 保険会社または保険エージェントに連絡して見積りをとり、クロージング前またはクロジーング時に保険代を支払います。 |
12 | タイトルカンパニー(Title Company = 権原会社)がタイトルサーチ(この物件の権利がきちんと譲渡出来るか等を調べる:登記簿内容、抵当権、所有権、税金などの支払い等の確認)や、土地建物の測量の発注(Survey)を行います。 |
13 | Lender(銀行やローン会社など)にローンのために必要な書類を提出します。(これは通常は買主であるお客様とLenderが直接行います) すべてがスムーズに終了するとローンの承認がおります。 |
14 | Lenderからローンの承認がおりると、Lenderからタイトルカンパニーに決済に必要な書類が送られ、買主にはClosing Disclosureと呼ばれるクロージングの明細書が出ます。 |
15 | 買主がクロージングに必要な金額をタイトルカンパニー宛に銀行送金し(一時預かり)、売主と買主がクロージングの必要書類にすべて署名をして、不動産売買手続き完了となります。タイトルカンパニーが買手から預かっている金額から売主への金額、タイトルカンパニーの費用、リアルターの費用などが支払われます。物件の鍵などもここですべて渡されます。 |
16 | 後日(約2ヶ月後)正式な登記簿が郵送されてきます。 |
以上は大まかな流れです。
ローンを組まずに現金購入の場合は省略になるステップも多いです。
普通の物件をローンを組んで購入する場合、現在は正式契約に入ってからクロージングまで約30~40日が平均的な期間です。
現金での購入は最短10日から2週間ほどで購入完了になる場合が多いです。
この記事の中の8〜13番は同時進行で行われる場合も多いので順番は必ずしもこの通りではありません。
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