フロリダ州の不動産を売却する方法(米国市民/永住者向け)
by Yukiko Yamasaki Block
フロリダ州で不動産(住宅や土地)を売却する際、日本と異なるルールや流れに戸惑う方も多いと思います。
この記事では、アメリカ在住の日本人(米国市民権・永住権保持者)の方向けに、売却の流れをわかりやすく解説します。
■ フロリダの不動産売却の基本
フロリダでは、日本と違い以下の特徴があります:
- 「現状有姿(As-Is)」での売却が一般的*注1
- 売主には重要事項の開示義務あり
- Title Companyが重要な役割を果たすことが多く、弁護士はあまり一般的ではない。
- 不動産情報および取引の透明性が非常に高い。過去にいくらで売買されたか、固定資産税など、カウンティ(郡)ごとに登録されており、誰でも見れるシステム。
■ 売却の流れ(全体像)
- 物件の現状確認や売主様の状況などのヒアリング及び市場調査に基づいた価格査定(CMA)
- 不動産会社と売りに出すための契約(Listing Agreement)
- MLSに掲載・販売開始(ここで一般向けに広範囲にマーケティングが行われる)
- 内覧・オファー受領
- 契約締結
- インスペクション
- クロージング(決済)
👉 最短の場合30〜60日程度で完了する場合もありますが、価格が高すぎたり、内覧リクエストにきちんと応えられないなどの状況があると、長引く原因になります。
■ 価格設定が成功のカギ
「最初の価格設定」が非常に重要です。最新のマーケット事情を考慮してアドバイスさせていただきます。
- 周辺の成約事例(Comparable Sales)が基準
- 最初の2週間が最も注目される期間
- 高すぎると売れ残り→値下げを繰り返すというパターンに陥ることも考えられます。
👉 「強気すぎない価格」が結果的に高く売れることが多いです
■ 売却時にかかる費用
主な費用はこちら:
- リスティングブローカー手数料
- 買い手側のブローカーの手数料をリクエストされることも多い。
- Title費用
- Owner’s Title Insurance
- Doc Stamp Taxなどのカウンティに支払う費用
- HOA関連費用(ある場合)
👉 事前に費用の概算を出すこともできます。以上の売主側の費用は通常はクロージング(決済)時にバイヤーから支払われる金額から差し引かれるので、実際に物件が売れる時まで、前払いが必要な経費はほぼありません(例外としてHOA関連で生じる場合がある)。
■ オファーと契約のポイント
- Cash Offerは有利
- ローンの場合は審査リスクあり
- 契約は「As-Is Contract」が主流*注1
また、手付金(Escrow Deposit)は通常オファー価格の1-2%です。
■ インスペクションと交渉
契約後、買主がホームインスペクションを行います。
- 修理依頼が来る場合あり*注1
- クレジット対応(値引き)も一般的
- 条件期間内なら買主がキャンセル可能
■ クロージング(決済)
- Title Companyが全てを管理(弁護士事務所が行う場合もたまにある)
- 売主は州外や国外にいてもクロージングが行える(国外は少し複雑)
- 売却代金は売主名義の銀行への電子送金が一般的
- お金のやり取りはすべてTitle Companyを通じて行われる
注1:As-Is Contractというのは「現状のままで売買する」という意味ですが、実際にはInspection Period(検査期間中)に買主が費用を払いホームインスペクターを雇い、いろいろな検査をするのが一般的で、その結果、売主に対して修理のリクエストが出されることが多々あります。
■ まとめ
不動産売買を取り巻く環境は流動的で、その時の市場の状況によって、売手が立場的に強い時(Seller’s Market)と買手が立場的に強い時(Buyer’s Market)があり、エリアによっても差があります。
まだすぐに売る予定でない場合も、早めにご相談いただくことで、売るための改装や修理を考えている場合のアドバイスなどもできますので、ご遠慮なくご連絡ください。
万が一、法律上の持ち主の方が亡くなっていたり、判断能力がなくなっている場合は、売りに出す前に必要になる法的な手続きなどが発生する可能性も大きいです。まずはご相談いただければ、きちんとヒアリングをさせていただいた上でアドバイスさせていただきます。