
お家を購入する際に、その物件の税金がいくら?ということを気にするのは当たり前で「税金が安い物件を買いたい」と思うのはみなさん同じかと思います。ただ、それが物件に表示される税額を比べるだけでは必ずしも正確ではないのです。
まずアメリカの不動産税はその物件が建っているカウンティ( County = 郡、ということになりますが、この郡の中に市町村が存在します)ごとに決められています。カウンティが不動産に課税する額を決める場合、大体の市場価格(Just/Market Value)というものが基本になります。それを決めるのがカウンティごとのAppraiser’s Office(課税額を査定する役目をする)の仕事です。市場価格と言っても、実際の不動産市場の状況によって、ほとんどの場合は実際に売り買いがされる金額はここでいう「市場価格」を超える場合が多いです。市場価格と言われるもの自体がはっきりした数値ではないので、正確な課税額をあらかじめ出すことは難しいのですがCountry Appraiserのウェブサイトに税金見積もり計算ができるところもあります。市場価格とともに課税額も上昇するのが原則ですが、そこにHomesteadという助っ人が登場します。詳細はこちらの記事をご覧ください。これはその不動産物件に「自分が住んでいて、自宅として使っています」ということを証明して、登録することによって
1)課税対象額から最高$50000分控除になる。(例:課税対象額が15万ドルだとすると、そこから5万ドル差し引いた10万ドルにだけ課税される)
2)毎年の値上がり分を実際の市場価格上昇率とは関係なく最高3%までに抑えられる。(これを”Save Our Home” property tax capといいます)
と、いうことなのです。1)がお得なのはもちろんですが、なんといっても長く持っていればいるほど2)で得をする金額が非常に大きくなってくるのです。
3)さらに2)の適用によって積み重なった課税控除分をフロリダ州で次の自宅物件に引っ越す場合にも引き続き適用できます。
例えば、ちょっと古めの住宅地で同じような条件の約30万ドルの物件が隣同士に建っていたとします。両物件とも20年前に約10万ドルで売れた物件だと仮定します。アップデートなどもほぼ同じと仮定しましょう。物件Aは20年前と同じオーナーがずっと自宅として(Homestead)登録して使っています。それに対して物件Bは何度か売買され、数年前に購入したオーナーは投資用に賃貸物件として使っています。このシナリオだと、物件自体は似たような両物件の間に現時点で固定資産税に数千ドル以上の差が出ていることが考えられます。ここで物件Aの税額だけを見て「お買い得」と思うと間違いです。上記3)のようにすでに課税控除分が貯まっていてそれを適用するなら別ですが、現在の税額が低くても、売買が行われることによって、課税対象額がリセットされるからです。
よくご質問をいただく「税金」に関する情報でした。